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事務所移転の指南書

2019年08月23日 オフィスを移転する際に基本的な考察ポイントについて(その3)

当コラムにお立ち寄り頂き、誠にありがとうございます。
私は、これまで賃貸オフィス(貸事務所)や物販・飲食店舗、倉庫・作業場・工場等の事業用物件を専門に、
約30年間仲介業務を行わせて頂いております、トップクォーター株式会社の野崎と申します。
当コラムにお立ち寄りの移転検討中のお客様に対して、私がこれまで経験し培ってきたノウハウを、
オフィス移転考察の軸となるポイントや、物件選定のポイント等を中心に、
記事を掲載出来ればと考えております。

これまでのコラムでは【移転動機を明確にする】、【希望地域(エリア)を定める】と記載して参りましたが、
今回は広さ(面積)を考察する部分について、見落としがちなポイントを抑えて行きたいと思います。

まず事業用物件の面積表記において、『ネットorグロス』という言葉を使われることがございますが、
皆様は耳にされたことはございますか?
これは契約面積に対して、ネット(専有部分のみ)の契約面積なのか?
それともグロス(トイレ・EVホール・廊下等の共用部分を含む)なのかという違いです。
当然、ネット面積での契約の方が、お客様にとって得なのですが、関東エリアにおいては、
その殆どがグロス契約になると思って頂いて、差し支えないと言い切れてしまいます。
(※但し、貸主が大手デベロッパーや生保・損保、また関西エリアではネット契約が主流です)

賃貸物件における契約面積の算定方法について、特に法律で定められる規制はなく、
どの部分迄を契約面積に含めて良いのか決まりはないので、あくまでも一般慣習に従って、
貸主の判断に依るところなので、それぞれの物件を比較検討するときに注意が必要です。

当コラムにおいて、別の回で月額予算のお話をするつもりでおりますが、今回抑えておくべきポイントとして、
仮に契約面積50坪、賃料坪単価が@10,000円とした場合、物件を比較検討するときは、注意が必要です。
これがネット契約であれば月額賃料500,000円となり、坪単価@10,000円となる訳ですが、
これがグロス契約だとして共用面積負担が約2割(10坪)含まれているとしたら、実質有効面積は40坪となるので、
実質面積40坪に対して月額賃料500,000円を支払うことになるので、実はネット面積での契約物件と比較すると、
この物件を借りる場合は500,000÷40坪=坪啖呵@12,500円となり、実は坪単価@10,000円とは読み取れなくなります。

予算の観点からも、検討している物件の契約面積がネットなのか、グロスなのかを把握しておくことは重要です。

またビルグレードを示す言葉の1つとして『レンタブル比』という言葉がございます。
レンタブル比とは建物全体において、ネット面積に対する、共有部分の割合を示す言葉で、
レンタブル比が高いほど、共用部分にゆとりがある建物だと言われております。

理想的なレンタブル比は約80%程度と言われており、この数値が低い物件はエントランスホールが貧弱だったり、
トイレが男女別ではなかったりすることが多く、候補物件を比較検討する中で、
同一規格で数値化された検討・比較が出来る値です。

正直申し上げて、関東地方において、ネット面積で契約頂ける物件は数少ないと思います。
しかしゼロではありません。
今回のポイントは事業用物件を借りるという中で、もしどちらの物件にするか迷われたときに、
1つの比較項目として。こういう判断材料もありますという話です。

従って当コラム3つ目のポイントは【契約面積がネットorグロスか確認する】です。

本件がお客様にとって、良い物件を見つけるための1つのきっかけになれば幸いです。

ご一読ありがとうございました。
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それではご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。



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